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みかん。

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感想文:TUGUMI
こんばんは。nasです。

今回は小説の感想文「TUGUMI」です。

TUGUMI(つぐみ)
TUGUMI(つぐみ)

吉本ばなな著。かなり前に買ったまま積んでました。ちょっと時間があったので気分転換に読んでみたわけです。

ばななさんの作品を読んだ時は毎度のことなのですが、そこまで話にのめりこんでない時でも、ある一文が妙に心に引っかかって涙が出ます。
それには、ばななさんの優しく、ゆっくりとした文体が大きく影響していると思います。短い文を重ねて表現したり、形容の仕方がさりげなかったり、漢字を使うところでもわざとひらがなだったり、いろいろありますが、要は管理人の心の琴線に触れる文体なのでしょうね。

そして、この作品にもありました。その文を読んだだけで泣ける一文が。

「私は10年もの間、いろいろなものがひとつにあみこまれた大きなベールのようなものに守られていた。だれもがそこから出てみないとそのぬくもりには絶対に気がつかない。2度と戻れなくなってからでないと、自分がその中にいることすらわからないくらいに、ちょうどいい温度のベール。それは海であり、町全体であり、山本さん御一家であり、母であり、遠くに住む父であった。そんなすべてがあの頃は私をそっと包んでいた。私はいつでも楽しいし幸せだけれど、ときおりあの頃がたまらなく、悲しいくらいなつかしくなることがある。そんな時いつも、いちばんによみがえってくるのは、浜で犬と遊ぶつぐみと、にこにこと自転車を引いて夜道を歩く陽子ちゃんの場面だった。」(本文42,43ページ)

管理人は生まれてからずっと実家暮らしで、この春ついに故郷を遠く離れた東京で一人暮らしをすることになります。いまは、不安よりも期待が勝ってますが、出発が近付くとやはり不安が勝るようになるのではないかと思ってます。

ずっと実家で、甘えながら暮らしてきたこの22年間。その時間がいかに大切で、かけがえのないものだったかを、これから知ることになるのでしょう。願わくば、東京での日々も、振り返った時「かけがえのないもの」になりますように。


というわけでこの作品は、そういった「かけがえのないもの」が強く感じられる作品です。はかなくて、切ない、子供時代の夏の思い出。ひとは、こういった思い出があるから、きちんと前をむいて生きることができるのだと思いました。

ストーリーなどには、特に触れません。その行間から立ち昇る雰囲気がやわらかくて、懐かしくて、切ない。それだけでいいじゃないですか。紛れもない名作です。


なんだか切ないなぁ。管理人が地元を離れるまで、あと3週間。いまの気分にぴったりの作品でした。オススメです。

それでは、また。
| nas@みかん。 | 感想文:小説(本全般) | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
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